瞬間瞬間の綱渡り

順境の人は感謝を知らず、逆境にもまれ苦しんだ人が感謝を知っている。
私たち凡人は痛い目に遭わなければ、人生で最も大切なものが見えないのである。

夜半目覚めて静かに思えば、私はよくもこれまで無事に生きてこられたものだと思う。
人目には平凡な人生に見えても、まことに危ない綱渡りの連続であった。
この綱渡りは、これからも命のある限りは続くであろう。

朝、目を覚ましたら「ああ、ありがたいな、今日も自分をこの地上に生かせて下さるのか」と、まず感謝の祈りを捧げたい。

どこまで孤独寂寞に堪え得るかということが、指導者の資格を計る大切な尺度であろう。
「人を相手とせず、天を相手とせよ」といった南洲は、孤独沈痛の人であった。

『歩むもの』から

—–

生活の全体は一瞬一瞬にあります。
この一瞬一瞬が挑戦なのです。
それに不適切に出会うことが生における危機です。

クリシュナムルティ