伝統の内と外

私にとってクリシュナムルティと云う人の存在は、かっても今も特別で、
彼の言葉ほど心に響くものにはこれまで出合ったことがありません。
それは十八歳のときの初読から現在に至るまで変わることなく続いてきた感情で、常に私の探求を導く糸(霧海の南針)でした。

ですので、いま、「二十年間色々グルグルやってきて、やっと出発点の”ここ”に戻ってこれた、やっと支度が整った」との感慨深さもあります。

こちらの研修メニューは全て「クリシュナムルティの教えを凡人が理解し実践していくためにはどうしたらいいのか」との問いへの、自分なりの二十年目の卒業論文、これまで全ての集大成であるとも言えます。

具体的技法の面では、禅 ・ヴィパッサナー ・内観など、伝統仏教の影響も色濃く受けており、自身の内面においても、それらに対する思い入れ ・愛情は、強く、深く、存在します。

しかし、気づきの研修は、それら、どの伝統 ・技法内の実践でもありません。
それは常にその外にある、新たなる実践(実験)です。

私の関心は専ら、それら伝統 ・技法のなかに存在する「気づきの方法論」を、純化 ・抽出し、脱神話化 ・脱宗教化して、現代に生きる私たちに確実に使える道具として提出することにあります。