あなたが世界である

心理的、内面的には、誰であろうと、あらゆる人間は世界である。
世界は自分自身のなかに表されており、自分自身が世界なのである。
これは心理的には完全な事実である。

ある人は白い肌で、別の人は褐色や黒色の肌かもしれないし、
ある人は裕福で、別の人はひどく貧乏かもしれないが、
内面的に奥深い所では、人間はすべて同じである。
われわれは、孤独、悲しみ、葛藤、不幸、混乱に苦しんでいる。
われわれは何を為すべきか、いかに考えるべきか、
何を考えるべきかを教えてくれる人に頼っていて、
さまざまな政党や宗教などの宣伝教化(プロパガンダ)に服従している。
それが、内面的に、世界中で起こっていることである。

だから実際に心理的な意味で、人は世界であり、世界はその人自身なのである。
言葉や観念の上ではなく、あるいは事実からの逃避としてではなく、現実的にこの事実を悟ったら、そしていかに遠く離れていようと自分と他者は別個のものではないという事実を、つまり内面的には彼もおおいに苦しんでおり、ひどく恐れていて、不確実で不安なのだという事実を、深く感じ、悟ったら―そのときには、人は小さな自分ではなく、人間全体と関わっていることになる。

この途方もない事実に気づいたとき、それは人に大きな力を与え、自分自身を探求し、変容させたいという強い衝動を与える。
なぜなら人は個人ではなく、人類だからだ。
こうした変容が起こるとき、人は人類全体であるから、その影響は人間の意識全体に及ぶ。
自分が根本的に深く変わり、内面にこの心理革命が起こるとき、そのときには、人類の意識はおのずと影響をうける。
自分は、人類、自分以外の残りの人類の意識全体の一部だからである。
そこで、人は自分の意識のさまざまな層を洞察することにかかわり、その意識の中身を変容することが可能がどうかを探求する。
その変容から次元の違うエネルギーや明晰さが出現できるように。


翻訳家のノート: クリシュナムルティ
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