否定を通して肯定的なものが現れる

否定を通して肯定的なものが現れる。
「否定を通して」とはつまりこういうことである―
「快楽は愛か?」と快楽を検討し、それはそうではない、
すなわち快楽には快楽の役割があるがそれは愛ではないと知って、あなたはそれを否定する。

あなたは、記憶は必要なものだが、愛は記憶ではないと知る。
そこで、記憶をそのしかるべきところに収める。
したがってあなたは、記憶を愛でないものとして否定したことになる。
欲望にも一定の役割があるけれども、あなたは欲望を否定する。
だから否定を通して肯定的なものがある。
しかし、われわれは逆に、肯定的なものを先に置いて、それから否定的なもののなかに陥る。
まず、疑うこと、徹底的に疑うことから始めなければならない。
そうすれば最後には確実性に至る。
しかし確実性から始めたら、最後には不確実性や混沌に至る。
だからこそ、否定から肯定的なものが生まれる。


翻訳家のノート: クリシュナムルティ
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