森信三 『一日一語』の味わい

 九月二十六日
道の継承には、少なくとも三代の努力を要せむ。
従って継承者は師に劣らぬだけの気魄と精進を要せむ。

一人の宗教的人格が生まれ、それが完成に至るには、親子三代はかかる。
もし、自分が一代目であるなら、次の世代に、良き精神的遺産を残せるよう、子を、そして、関わるすべての人を育てなければならない。
自分が既に、二代目、三代目との自覚があるならば、
その(親や師、先人から)受け継いだ良き資質を、この自分の今生に於いて開花させるべく努めるしかない。

 九月二十七日
われわれ有限者にとっては、絶対者は幻を通してしか接しられない。
それはちょうど、晴れた日の太陽は直視できないように、雲間を透してのみ、その姿を垣間見ることが出来るようなものです。

日の光の美しさは、雲があって、より、その美しさが増すように、
煩悩と云う雲の隙間から射し見える、気づきの光は、より美しい。
それは、煩悩まみれの、この心に、仏の、気づきの、あちらの世界の光がさす瞬間の光景である。

私たちは、どこまでも、純粋な光-煩悩の滅尽を目指さなければならない。
しかし、この雲越しに射す光の、何と美しいことか。