独り立つ心

伝統、権威、依存、恐怖。宗教的単独者としての個人

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私はあなたに保証しますが、だれも私に教えませんでした。
私の言っていることは本から学んだのではありません。
しかし私は注視してきました、苦闘してきました、
見出そうと試みてきました。

あなたが見出すのは、あなたが絶対的に裸で、すべての方法から自由で、すべての教師から自由であるときのみなのです。

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真実とは何かを本当に見出したい人は、師であれ、本であれ、伝統的教義であれ、何の権威も持っていてはなりません。
そのすべてから全く自由でなければなりません。

しかし、私たちの大部分にとって、これは非常に難しいことなのです。
なぜなら、それは、不安定であること、完全に独り立つこと、手探りしながら調べていくこと、決して満足しないこと、決して達成を求めないことを意味するからです。

絶えず問い尋ねている人、何の権威も持たない人、どんな伝統にも、どんな教師にも、どんな本にも従わない人―彼は彼自身の光になるのです。

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神が居るかどうかを見出したければ、まず、あらゆる神についての観念を放棄しなければなりませんね、疑いなく。
あなたは見出すため、完全に裸でなければなりません。
人間が神に関して築き上げてきたすべての愚かしいものごとは焼き尽くされなければなりません。
そのことは、恐れを知らないこと、独りさまようことを意味します。
それをすることをあえて望む人はごくわずかですが。

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唯一の本当の革命は、経済的な革命や共産主義的な革命ではありません。
そうではなく、心がどんな教義や知識にも、どんな教師や本にも、もはや保護を求めていないときに生じる、本当に深い革命です。

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どんな教団にも、どんな共同体にも、どんな教義、信念、結論にも属さないという意味で本当に独り立つことのできる心だけが創造的であり得ます。

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結局、各々がその特定の伝統のなかで育てられてきたのであり、彼の神はその伝統の神なのです。
しかし、確かにそれは実在ではありません。
それは単に彼が教えられてきた事物の繰り返しであるに過ぎません。

実在というものが本当にあるのかどうか見出そうとするなら、ひとは自分が育てられてきた伝統から自分自身を解放しなければなりません。
それはするのが並外れて難しいことです。
しかし、それをしたときのみ、心は単なる尺度を越えて進み、測ることのできない何かを見ることができるのです。

私たちがそれを知らないなら、生きていることに、それほどの価値はないでしょう。
それは非常に浅はかで、空虚で、取るに足りないものでしょう。

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あなたは、何の権威も持っていない、あなたの指導者ではない話し手の話を聞いているのです。
なぜなら、グルはいないからです、追従者はいないからです。

葛藤なしの生を発見しよう、平和に生きよう、あふれるような愛と共に生きようとしている人間のみがいるのです。
しかし、もしあなたが誰かに従うなら、あなたは自分自身とその人を破滅させているのです。(拍手)

どうか拍手しないで下さい。
私はあなた方を楽しまそうとはしていません、あなた方の拍手を求めてはいません。
重要なことは、あなたと私が理解し、そして違った種類の生を生きることです―ひとが送る、この愚かな生ではなく。
そして、あなたの拍手、あなたの同意や不同意はその事実を変えません。

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私にとって個人とは、疑うことを通して正しい価値を見出す人です。
そして、ひとは苦しんでいるときにのみ本当に疑うことができます。

あなたが苦しむとき、心は鋭く、敏感になります。
その状態のなかでのみ、社会、宗教、政治が私たちの周りに配置してきた規範の本当の価値は何であるのかを問うことができます。
その状態のなかでのみ問うことができ、そして私たちが問い、真の価値を発見するとき、そのとき本当の個人です。
そのときまでは違います。
私たちが宗教を通し、信念と理想の追求を通して慣れ親しんできた価値に気づかないかぎり、私たちは個人ではありません。
私たちは単なる機械であり、世間の奴隷であり、宗教が私たちの周りに造り上げてきた無数の理想の奴隷であり、私たちが受け入れている経済的、政治的体制の奴隷であるに過ぎません。

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ひとは何かに帰属したがるのです― 集団に、党派に。
なぜなら、集団、党派に属していれば安全だからです。
その背後にあるものは恐怖です。
孤独への恐怖、注目されないことへの恐怖、認められないことへの恐怖なのです。

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あなたは話し手から教えてもらっているのではなく、あなた自身の思考と感情の動き、あなた自身の精神の中身を観察するための鏡として話し手を用いることによって学んでいるのです。

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真理を見い出すには、すべての道から自由でなければなりません。

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もし一冊の本もなく、一人のグルもいなかったら、あなたはどうしますか。