大平数子

あい
逝ったひとはかえってこれないから
逝ったひとは叫ぶことが出来ないから
逝ったひとはなげくすべがないから
生きのこったひとはどうすればいい
生きのこったひとは何がわかればいい
生きのこったひとは悲しみをちぎってあるく
生きのこったひとは思い出を凍らせて歩く
生きのこったひとは固定した面(マスク)を抱いて歩く

やかん
(原爆より三日目に吾が家の焼けあとに呆然と立ちました。)
めぐりめぐってたずねあてたら
まだ灰があつうて
やかんをひろうてもどりました
凸凹(でこぼこ)のやかんになっておりました
やかんよ
聞かしてくれ
親しい人の消息を
やかんがかわゆうて
むしょうに
むしょうにさすっておりました
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大平数子 詩集 抜粋 – あつし@草莽 日記
http://d.hatena.ne.jp/elkoravolo/20101111/1289460131
伝言ヒロシマ2002

吉永小百合~言葉で紡ぐ、平和への願い
http://yuuyuukandai.at.webry.info/200708/article_15.html

NHK教育Q~わたしの思考探究~「幸せを感じる社会とは」・愛と正義