ヴィパッサナー瞑想+内観 10日間 30代男性

転職を控えており、「今後の人生をもっとタフに生きられるようになりたい」との思いから、研修を決断しました。

1日目

・ヴィパッサナー瞑想

手首の脈拍を感じながら瞑想をする。
私は普段とても思考の強い人間で、1つのことに集中し続けることが苦手なので、脈拍すらも上手く感じ続けることができませんでした。

先生からは瞑想する時も、日常生活でもラベリングを切らさず入れ続けることが大切と教わりました。

2日目

・ヴィパッサナー瞑想

昨日にひきつづき手首の脈拍と、新しく歩行瞑想を習う。
足が着地した時と前進する時の足の裏の感覚に意識を向ける。
手首の脈を感じながら、とりとめもないことを考えていることに気づく。

先生によると、ごく短い瞬間の合間にも思考と感覚が頭の中を駆け巡っているようで、思考が入ってくる隙を与えないように集中して、しっかり感覚を感じ続けることが大事だとアドバイスをいただく。

・喫茶瞑想

お茶を飲む時にも、動かす腕の感覚、コップに指が触れた時の感覚、コップに唇が触れてお茶が口の中や体内に入っていく感覚に意識を集中することを教わる。

3日目

・ヴィパッサナー瞑想

合掌のポーズをとって脈拍を感じたり、膝の上に手を置いて指の脈拍を感じる。
手と手を合わせると脈拍を感じやすいけど、合わせた手を離して片手だけになると、なかなか脈拍を感じるのが難しかった。
脈拍を感じにくいと上の空になりやすい。
高い集中力が試される瞑想だと改めて実感した。

・ボディワーク

歩く時の姿勢を見ていただき、反り腰だということが分かったので、反り腰の癖を修整する道具を貸してもらって、この日からストレッチをすることにしました。

4日目

この日は午前中まで倦怠感が強かったので寝て過ごす。
午後から歩行瞑想や、反り腰を治すストレッチを4種類ぐらいやって過ごす。
倦怠感を感じていた午前中は、どうしてもぼーっとしてしまっていたが、午後からは徐々に集中力が高まっていった。

5日目

断食を終え、この日から食事が始まる。
ひきつづきヴィパッサナー瞑想に取り組む。
断食を続けている最初の3日間は、眠くなったり倦怠感が起きやすかったが、この日はいつもより短時間で目が覚めて、
久しぶりにご飯を食べると、脳が強めの栄養剤を摂取したような覚醒状態になり元気がみなぎってきた。
3、4日断食することで体が命の危機を感じて、逆に元気を取り戻すようで、人間の底力のようなものを感じた。

6日目

内観を始める。
生まれてから今まで、母にして頂いたこと、お返ししたこと、迷惑をかけたことを思い出す。
4日間取り組んだヴィパッサナー瞑想と断食の効果もあって、雑念に振り回されずに思い出す集中力が上がっている感覚があった。

7日目

養育費を細かく計算する。
自分がどれだけのお金をかけて育てて頂いたかが、目に見える形でハッキリと分かり、それに対して自分はほとんどお返しできてないことが分かった。

8日目

母にして頂いたこと、お返ししたこと、迷惑をかけたことについて、その当時、自分がどんな気持ちだったか、母がどんな気持ちだったか、その時の光景や母の顔や声色などを具体的に思い出す。

当時、母がどんな気持ちだったのかを考えると涙が出てきて感謝の気持ちが湧いてきた。

9日目

研修に来る前は母に対して、なんで自分を産んだんだとか、なんでいい加減に育てたんだとか、非難したい気持ちがいくつもあったが、内観で、当時あったことや、当時の母の気持ちになって考えていくうちに、母はいつも自分の味方をしてくれていて、大変な状況のなか、母なりに考えていつも精一杯育ててくれていたんだということが分かった。

夜中に内観が終わったころには、母を非難したい気持ちがすっかり消えていることに気づく。

これからは親孝行を目標にして生きていこうと気持ちを改めることができた。

10日目

7日目に計算した養育費とは別に、これまでに炊事、洗濯、買い物などをして頂いた労力(時間)を時給に換算してみる。
全て計算すると、とんでもない額になり、改めて自分が莫大なお金と時間をかけて育てられてきたことが分かった。

最終日ということで身支度を済ませて、帰る時間までヴィパッサナー瞑想をした。

別れる際には電車駅まで見送っていただき、最後まで今後のアドバイスをいただいた。

転職前に濃い10日間を過ごし、今後の人生をタフに生きていく為の有意義な時間を過ごせました。

ありがとうございました!