『やすら樹』号数不明より
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遺伝子学、エンハンスメント
『遺伝子‐親密なる人類史‐上』
『遺伝子‐親密なる人類史‐下』
素晴らしい作品でしたが、著者であるシッダールタ・ムカジーが自分と同い年であるということにもショックを覚えました。自分は一体、何やってるんだろ…という感じです。
シッダールタ・ムカジーは、サイモン・シンに似て、インド系のサイエンス啓蒙家として、ずば抜けた才能を持っていると感じます。
完全にゼロから生命を設計する(デザインする、設計する)ということの現実性が見えたきた、この時代において、私たちの考え・議論しないといけないことは少なくないと感じます。
『完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理』
あるカップル(女性同士)はともに聾であり、そのことを誇りにしていた。
「聾であることはひとつの生活様式にすぎないわ。私たちは聾者であっても何の問題も感じていないし、聾文化の素晴らしい側面を子どもとともに分かち合いたいと思っているの。」
彼女たちは、聾の子どもを妊娠したいという望みをかなえるために5世代にわたって聾である精子提供者を探し出し、その計画は成功した。
この話がワシントン・ポスト紙に報道されると数多くの非難が殺到した。ある不妊カップルが卵子提供者を募る広告をハーバード学内紙ほかに掲載した。
提供者には身長5フィート10インチ以上、運動が得意で家族病歴がなく、SATの得点が1400点以上と言う条件が付けられた。
報酬は5万ドルであった。
この広告には何の非難もなかった。「完全な人間を目指さなくてもよい理由−遺伝子操作とエンハンスメントの倫理」は、冒頭にいきなりこの2つのケースを読者にぶつける。どう考えるか?
『遺伝子‐親密なる人類史』の末尾。
「優性・劣性」が、「顕性・潜性」に改訂されたという但し書きを読んで、やはり学問は、少しづつ正確になり、世界は少しづつ良い方に変化しているのだな、と感じました。
この小さな改訂は、おそらく次の時代には改訂されたことすら忘れられ、当たり前に定着しているのでしょうが、理論上の誤理解を避ける大きな意味上の違いがあり、大きな改訂だと感じました。
『なぜ疑似科学を信じるか』
『なぜ疑似科学を信じるのか: 思い込みが生みだすニセの科学』
著者の菊池聡さんは、類書をこれまで(おそらく)4,5冊くらい書かれており、目を通したことあるのですが、この本は、更に話の持っていき方がこなれていて、とても読みやすく、面白いです。
特に「第4章 科学的という錯覚」には筆力を感じました。
オススメです。