昨今、話題となっているマインドフルネスとは、元々、ヴィパッサナー瞑想や禅という伝統仏教流派の修行法を脱宗教化・心理療法化することによって成立したものであると言えます。
ここでは、そのルーツのひとつとなっているヴィパッサナー瞑想について、語義の面から説明します。
Vipassana Meditationと云う言葉は、vipassanā-bhāvanā(ヴィパッサナー・ヴァーバナー)と云う、原始仏教の時代、古代インドで使われていたパーリ語の英語訳として存在しています。
Andersonの『PALI READER』によると、vipassanā の vi とは、動詞や名詞の前につく前置詞であり、その意味は、”asunder, out, away, about”あるいは”in various directions”とあります。
名詞と共に使われるときは、しばしば”negation, separation”という意味。
動詞と共に使われるときは intensity 「強調」を意味するとあり、例として vipassati という動詞が出ています。
passanā は passati という動詞から来る名詞です。
passati を辞書で見ると、”to see, look at, consider, perceive, notice, find out”という訳語が出ています。
大体において「見る」「観察する」「気づく」という意味です。
この vi と passanā をあわせてみると、vipassanā は、「くわしく観察する」「細かく分けて、よく見る」「特別な観察」という意味だと分かります。
bhāvanāは、この場合、「修習する、繰り返し実践する、それによる能力の育成・成長」などの意味となります。→ バーヴァナー – Wikipedia
それらを組み合わせると、「特別な仕方で(非常に細かく、分解して、良く)観察する、そのことの実践、反復練習、その実践による観察力の増強」などを意味することがわかります。
つまり、「よく観ることの実践、繰り返しの実習」です。
意味をとって、「気づきの瞑想(Mindfull Meditation)」「洞察の瞑想(Insight Meditation)」と呼ばれることもあります。
下記ページの左段、下から3つ目の見出しをご参照ください。
http://www.manduuka.net/pali/ptsdic/jpg/638.jpg(「PTSパーリ語辞典」より)
以上の文章の一部は、こちらの内容のリライトです。
ありがとうございました。
What is vipassana?