瞑想は生の中で、もっとも偉大な芸術のひとつです。
おそらく最高に偉大なものでしょう。
それは他の誰かから学べるものではありません。
それが、瞑想の美しさです。
瞑想にはどんな技法もありません。
それゆえ瞑想には権威者などいないのです。
あなたが自分自身について知るとき、
つまりあなたを見つめ、
どのように歩き、どのように食べ、何を話しているかを見守り、
お喋りや憎しみや嫉妬を見つめ、
あなた自身の中で、これら全てのことに思考を差し挟むことなく気がついているとき、
それは既に瞑想になっています。
……
瞑想とは、日常生活とは別の何かではありません。
部屋の隅にいって10分間瞑想をし、そこから出てきて肉屋に戻る、というようなものではありません。
これは比喩として言っているのではなく、実際にそうなのです。
瞑想は、もっとも重大なことのひとつです。
あなたはそれを一日中できます。
仕事場にいるときでも、家族と一緒にいるときでも、誰かに「愛しているよ」と言っているときでも、子ども達のことを考えているときでも…
しかし、その一方で、あなたは人々に、兵士になり、人を殺し、愛国者になり、国旗に敬礼するようにと教えています。
現代社会のこのような罠にはまるように人々を教育しています。
それをことごとく見守り、あなたがそのなかで果たしている役割を理解すること。
そのすべてが瞑想にふくまれます。
このように瞑想しているとき、あなたはそのなかに、たとえようもない美しさを見い出すでしょう。
そしてあなたは、どんな瞬間にも正しく行動するようになるはずです。
たとえ、いっとき正しく行動をしないことがあったとしても、問題ではありません。
ふたたびそれを取り戻せばいいのです。
悔やんで時間を無駄にすることはありません。
瞑想は生活の一部です。
生活とは別の何かではありません。
クリシュナムルティ 『瞑想』より