メディア・リテラシー

「メディア・リテラシー」と云う言葉があります。
それは、情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、
その真偽を見抜き、活用する能力のことであり、
「情報を評価・識別する能力」のことです。
「メディア・リテラシー – Wikipedia」より
今回の地震~原発の問題の流れのなかで、
この「情報判別能力」の不足(未訓練)から事態を悪化させていると感じられる場面を多く見かけました。
私自身が、この能力が高いと言いたい訳ではないです。
が、私は、この能力を高めたいと普段から努力しています。
それは、研修所の指導と云う職業からして、
(それが食事法であれ、瞑想法であれ、心理療法であれ、宗教教義であれ)、まちがった情報を研修者の方に伝えることが、非常に危険であり、その間違いに対する責任も重いと感じているからです。
なので、何か詳しくないことにであったとき(知らない人の名前、知らない健康法、知らないテクニックなど)は、まずネットで調べます。
そして、その技法・人・方法・ニュースに関する、賛否両論、褒める人と否定する人の両方の意見(論拠)をざっと調べます。本があれば、図書館でリクエストして、ざっと眼を通します。
そのうえで、自分のこれまでの知識・経験・直感に照らしあわせて、自分なりの判断をします。
誰かに情報を伝える場合、各人各々が、その手順(1クッション)を挟めば、
間違った情報を拡散させてしまうと云う、これまで繰り返されてきた失敗は避けられるものと思うのです。
私自身も、それを怠って(早まって)
おかしな情報をここで紹介したことも何度もあります。
それに気がついたら、早く削除するか、
それでも駄目な場合は訂正記事を出すしかありません。
気をつけなければならない点は、
デマの記事ほど、わかりやすく、衝撃的で、パズルが意外な形でハマッタと云うような脳の気持ちよさ(意外性と云う快感)があり、色んなことを数少ない要素(真相・真犯人など)でスッキリ説明してくれ、そのスクープを、まず誰よりはやくみんなに伝えなきゃ、と云う興奮を強く惹き起こします。
それらを喚起するように、デマと云うものはできています。(感染力が高い)
デマウィルスは、メディアを使って、人の脳を介在して、自己増殖します。
またメディアが信用できない(信じられない)からと言って、
個人による情報発信(ブログ)などがより本当だという訳ではありません。
現在は、情報が足りないと云うよりも、情報があり過ぎて、どの情報を信用していいのか分からないと云うのが問題です。
選択眼を磨いていくしかないのでしょう。
この本など、オススメです。
『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)』
著者の方のブログ
松永和紀blog
http://blog.goo.ne.jp/wakilab
一歩立ち止まって、まず調べてみること、そして冷静に考えてみることを肝に銘じたいです。
無責任なデマ情報を、(善意と興奮から)拡散させてしまうことのないよう。