脳、気づき、条件づけ

「私たち〔クリシュナムルティと一人の友人〕は、
〔スイス〕のとある山の木々に覆われた険しい小路をのぼり、
ほどなく、ベンチに腰を下ろした。
突然全く予期しないまま、ある聖なる祝福が私達のところにやってきた。
もう一人の人もそれに気づいたが、私たちは何も言わなかった。
それは何度か部屋を満たしてはいたが、今度はそれは広く山腹を横切って覆い、谷にまで広がり、山を越えて広がるかに思われた。
それはいたるところにあった。
全空間は消失したかに思われた。
遠くにあるもの、広い割れ目、彼方の雪に覆われた山の頂、そしてベンチに座っている人〔彼自身〕は消え失せた。
そこには一も二も多もなく、ただ無量の広がりだけがあった。
脳はその全応答を失っていた。
それは単なる観察の器官であり、それは見ていた。
-誰か特定の人に属する脳としてではなく、時空に条件づけられていない脳として、すべての脳のエッセンスとして」
『クリシュナムルティとは誰だったのか』
アリエル・サナト コスモスライブラリーからの引用
悟りとは何か-4 – アヴァンギャルド精神世界より