被災地の映像を見て 2

また、それと全く逆のことも感じました。
(これは不謹慎といわれるかも知れませんが、書いてみます。)
私は、マックス・エルンストと云う画家の「雨後のヨーロッパⅡ」と云う作品が、
(なぜか分からないのですが)昔から吸い寄せられるように好きなのですが、
その絵に感じるような、すべてが壊れてしまった後の、開放感のようなものも感じました。

現代の日本においては、有る程度の年齢になれば、大抵、未来(将来)は見えてきます。
安楽な世界で、それなりに暮らしてはいながら、
静かに絶望しているような閉塞感を感じている方は居られたでしょう。
それが、あっさりと粉砕されました。
もし、この現状に対する、(悲惨さと同時に)開放感を味わっておられる方が居られるなら、
初めて、「生きてる」と云う強烈な実感を感じておられる方が居られるなら、
それを、今後の人生の展開に生かして欲しいと思うのです。
(本当に、物事の感じ方(出来事の持つ意味)は、人によって全く違います。
この震災が、まったく逆の意味を帯びている方も居られると思うのです)
もし、貴方にとってこれが「良きこと」であったならば、
この好機を逃さず、本当に満足できる、本当に自分が生きたい人生を築いて欲しいと思うのです。
「人生第2幕」と考えて、これまでの自分には破れなかった限界を破って、
生を燃焼させて欲しいと思うのです。
洪水によって川底が揺すられ、剥ぎ取られると、全てのものが動きます。
振動によって、それまでの秩序が揺れて壊れて、動き始めます。
いま、全てのものが移動を始めています。
西と東で、南と北で、かってない大規模な、この出来事がなければ起こらなかったであろう(人の、モノの)移動が生じています。
安定していたものがシャッフルされ、流動化しています。
これが、良いことなのか悪いことなのか、それは私たちには分かりません。
ただ、地球始まって以来続いてきた、自然なできごとではあるのでしょう。
これまでの自分の人生に不満であった人、でも「こんなもんだろ」と諦めていた人は、
この好機を逃がさず、本当に納得できる人生を掴んでいただきたいと思うのです。