書物は人間が創り出したさまざまな道具類の中でもっとも驚嘆すべきものです。
ほかの道具はいずれも人間の体の一部が拡大延長されたものでしかありません。
たとえば、望遠鏡や顕微鏡は人間の眼が拡大されたものですし、電話は声が、鋤や剣は腕が延長されたものです。
しかし、書物は記憶と想像力が拡大延長されたものだという意味で、性格を異にしています。
『語るボルヘス― 書物・不死性・時間ほか』
書物は人間が創り出したさまざまな道具類の中でもっとも驚嘆すべきものです。
ほかの道具はいずれも人間の体の一部が拡大延長されたものでしかありません。
たとえば、望遠鏡や顕微鏡は人間の眼が拡大されたものですし、電話は声が、鋤や剣は腕が延長されたものです。
しかし、書物は記憶と想像力が拡大延長されたものだという意味で、性格を異にしています。
『語るボルヘス― 書物・不死性・時間ほか』