狂った水準器で建てた家

我々の通常の有り様とは、

狂った水準器(水平器・下げ振り)によって建てられた家に、生まれてからずっと住んでいる人― あるいは(よく遊園地にある)全てが体系だって重力方向とズラして建てられた家(トリックハウス)に常住している人に近い。

そこで何年も暮らしていると、一歩外に踏み出たとき、世界は歪んで、傾いて感じる。
その感覚は、いくら頭で理解してようと拭えない。

錬功初期の困難さには、それと似通ったところがある。

狂った基準の世界から脱出することは(常に、繰り返し)難しい。