吉本伊信 『反省(内観)』

『反省(内観)』1945

『信前信後』

吉本伊信の著作一覧

わが心鏡にかけて見るなれば
 さぞや姿のみにくかるらん

受け難き人の姿に浮かび來て
 こりずや誰も又しづむべき

知るとのみ思ひながらに何よりも
 知られぬものは己なりけり

一人一日の中に八萬四千の思ひあり。
念々の所作之皆三途の業なりと言へり。
斯くの如くして昨日も徒らに暮らし今日も又空しく過ぎぬ
之を幾度か幾度か明かさんとする。