ブログ 『日々、刻々、流れるもの』

禅の見方

「道可道非常道」

・通常訳

「道の道とす可べきは常道に非ず」
「語ることができる道は、常道(真の道)ではない」
「道(絶対的真理)は、言葉で捉えることができないし、語ることもできない」
つまり、「真理は、言葉を超えた実在である」

・伊福部隆彦訳

「道の道たる可きは常(かわらざる)の道に非ず」

道というものは時々刻々千変万化して生成発展しているものであって、決して固定した恒常的なものではない。
つまり、道という固定した実体としての真理があるわけではなく、変化そのものが道なのである。
それを、「変化しない真理(道、容れ物)」と「変化する現象(中身)」に分けて認識するところに根本的な誤りがある。

「一切衆生、悉有仏性、如来常住、無有変易」

・通常訳

一切の衆生は、ことごとく、仏性を有する
如来は常住にして、変易あることなし(変易しない)。

すべての生き物は、(そのなかに)仏性を持っている、有している。
真理(さとり、悟った人)は、常に存在し、変化することがない(移り変わらない)、永遠である。

・道元希玄訳

釈迦牟尼仏言、「一切衆生、悉有仏性、如来常住、無有変易」
これ、われらが大師釈尊の師子吼の転法輪なりといへども、一切諸仏、一切祖師の頂寧眼睛なり。

一切は衆生なり、悉有は仏性なり
如来は常住にして、無なり、有なり、変易なり

『大地の五億年』

久々に、面白い本に出会いました。
オススメです。

『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』 藤井 一至 (著)

河合隼雄賞受賞・異色の土研究者が語る土と人類の驚異の歴史。
土に残された多くの謎を掘り起こし、土と生き物の歩みを追った5億年のドキュメンタリー。

地球には最初、土がなかった。地球上に生き物が誕生し、遺体と岩石から土が生まれた。
現在のところ地球は生き物が確認されている唯一の惑星であり、ゆえに土は地球にしか存在しない。

ひたすらに土を食べて耕すミミズ、岩を食べるようになったキノコ、腐葉土を食べるカブトムシの幼虫……。
土は植物や昆虫の躍進を支えるとともに相互に影響し合い、さらに恐竜の消長や人類の繁栄に場所を貸してきた。

身近なはずの「土」のことを、私たちはどれほど知っているだろうか。
土の研究者である著者がスコップ片手に世界を飛び回り、土に残された多くの謎を掘り起こしていく。
土と生き物たちの歩みを追った5億年の、そして未来へ向けたドキュメンタリー。

『「地球のからくり」に挑む』 大河内 直彦(著)に少し似ています。