終わらない梯子登り

立身出世という奴は、この壊れると分っている土台の上で、梯子登りをやることなんだ。高く登れば登るほど危険なんだ。

そうと知りながら、周囲はもちろん彼自身からもこの梯子登りを強いられているんだ。

『川端康成』筑摩書房、P46