主に男女間において、相手に対する「愛情」と「嫉妬」は相伴う関係にあることが殆どである。
「情が深い」人柄ほど「嫉妬」も強烈で、あることを切っ掛けに、疑い、さびしさ、傷つけられたとの思いが暴走し、そのことで却って相手の心を萎えさせ、冷めさせてしまう。これは、嫉妬するのが男性の側の場合でも、女性の側の場合でも、構造は全く同じである。
嫉妬を伴わない、嫉妬を相方としない愛、情の深さ、相手に対する思いの深さはあるのか。
支配欲、相手をコントロールしたい欲求に、自身が支配されない形での相手への思いやりはあるのか。
嫉妬と支配欲の二つが心に起こることが「相手を好きである証拠・愛している証拠」とされているのが現状であり、その先は、なかなか見えない。
これは、師匠と弟子、先生と生徒、教団と信者との間でも、まったく同じことが頻繁に起こる、自我固有の問題である。
嫉妬を伴わない愛、相手に対する支配欲を伴わない愛はあるのだろうか。